キッザニアを活用したキャリア教育

石田 久美子 ( 東京 )

「キッザニアとは?」を伝える

 私はこどもの職業・社会体験施設「キッザニア」で、こども達の体験を小・中学校の先生に伝える仕事をしています。施設内には銀行や病院等、街並みが再現され、こども達は約60のパビリオンで約100種類の職業・社会体験をすることができます。各パビリオンにはスポンサー企業がつき、本物の道具やノウハウを提供していただき、リアリティのある体験内容を共同開発しています。例えば、新聞社では新聞記者として街へ取材に出かけて、記事を書き上げる、という風に。また、キッザニアの専用通貨を「稼ぐ」「使う」「貯める」という体験を通して、金融リテラシーを育むこともできますし、人との関わりや協働を体験し、自分なりの課題解決を見つけていきます。本物に触れ、役になりきる体験が「いつもとは違う表情」を引き出し、達成感で輝いているこども達。これこそが、多くの学校が活用される決め手になるのだと思っています。

 

学校の学習と連動させる

 年間1000名近くの先生とお会いする中で、「学校での活動とキッザニアを絡めた学習を進めたいがどうしたらよいか」と相談を受けることも少なくありません。「どんな目的で」「何年生の来場か」「学校の取り組み」等、お話を伺いながらその学校に合ったプログラムをご提案しています。キッザニアには体験と連動した事前・事後学習の教材があり、各校の状況に合わせてワークシートは自由に組み合わせることができます。連動した学習を行うことで、こども達の体験がどれだけ深まっていくのかを、先生方と共に日々再発見しています。

また、キッザニアには職業・社会体験以外にも、様々な「資源」があります。スポンサー企業、英語プログラム、中学生向けイベント等・・。学校とこれらを繋ぎ、こども達が色々なものの見方に触れることができる場をさらに作り出していけたら、と思います。     


【プロフィール】

博物館のこども向けプログラムの企画開発・実施を経て、

KCJ GROUP(株)で「キッザニア甲子園」の立ち上げ、学校向けキャリア教育プログラムの企画・運営等に携わる。現在、キッザニア東京にて勤務。

<事業実績> 

                                                                キッザニア東京・甲子園「キャリア教育実践プログラム」事業                                                                         コーディネートと教材開発に携わる

 http://www.kidzania.jp/tokyo/school/