「自分で決める」キャリア

板垣 達周(島根県・福岡県)

“選択肢を創る”という間接的支援

 

都会の中学生が地方の高校に進学し、豊かな自然と濃密な人間関係の中で高校生活3年間を過ごす地方留学。この地方留学の動きを広める取り組みを行なっています。都会と地方という成育環境の異なる生徒の出会いをきっかけに、多様性のある教育環境を生み出していく事業です。

私の具体的な活動は、県外から生徒を募集している全国の高校に伺い先生と打ち合わせをしたり、中学生や保護者の方はどんな教育環境を求めているのか調査をしたり、地方留学を広めるイベント会場の手配をしたり。ですのでこの事業で私自身が子ども達と関わることはほとんどありません。中学生が「主体的に高校を選ぶ」ための選択肢を創るのが仕事です。

自分の目で見て、話を聞いて、触れてみる。そうしないと主体的な選択はできません。高校進学という形の無い物を選ばなければいけない中学生にとって、よりリアルに地方の教育環境を感じてもらいたいという思いでこの事業を進めています。。

 

選択を受け入れる環境を

 

 「自分はこうありたい」と思ってもなかなか言えない。多くの人が経験あるのではないでしょうか。31歳になりましたが今でも周りを気にして思ったことが言えないことはたくさんあります。自分の意志で何かを選ぶというのはとても勇気がいること。その勇気ある選択を周囲が認め受け入れる事ができるかがとても大切なことだと思っています。

地方留学の事業とは別に、大学生や高校生を対象としたワークショップを行っています。「選択をする自分」と「誰かの選択を受け入れる自分」という両方の役割について対話し、PBLを通して人に認められる嬉しさと認められない悲しさを実感する。私自身も彼らと共に喜怒哀楽を経験しながら成長させてもらっています。

幸せの在り方が多様化する今、自分のことを自分で決めること、そしてそれを認め合うことが当たり前の世の中になれば。そんな思いで、キャリア教育コーディネーターとして、目の前の人たちと向き合っています。


 【プロフィール】島根と福岡を行ったり来たりの生活。

(一財)地域・教育魅力化プラットフォームにおいて地域の持続可能性を高める教育システムづくりに取り組む傍ら、大学等でPBLを通したキャリア講座を行う。

 

<事業実績> 

・「地域みらい留学」http://c-mirai.jp

都道府県の枠を越えて地方の公立高校へ進学(地方留学)する生徒と、受け入れる高校との出会いを創出する事業。